1979年の大みそかは、日本全国酒飲み音頭

街灯と猫
木曜日(雑談)

 木曜日は雑談の日

 僕にとって、思い出というか、印象に残っている大みそかの夜がある。それが、1979年の大みそかだった。僕個人としては、小学生最後の大みそかでもある。だから、より印象に残っているのかもしれなくて、今日もサヨリは元気です(笑)

 僕の中学入学を機に、我が家はド田舎から引っ越した。新しい家は、歩いてスーパーに行ける場所にある。ちょっと聞いてもらっていいですか? 歩いてスーパーって、凄くね? もうこれは……都会と呼んでもいいっすか? 

 とっぷりと日が暮れた大みそか。たぶん、ドラえもんを見ていた僕は、オトンに連れられスーパーへ買い物に行った。夜の信号機が珍しい。自動車のヘッドライトさえもが煌めいて見えた。

 懐中電灯で歩いていた夜道から、街灯が照らす道路の景色である。もうそれは、知らない街に旅行にきたような気分であった。きっとそれは、当時の僕の心が清らかだった証である(汗)

 あの夜の僕ならば、いい感じのブログ記事を書くだろう。家からスーパーへ行っただけ。それだけなのに、ナウいじゃん(笑) 初めての連続が、僕の心を躍らせた。

 だってそうでしょ? 明るいんだよ、街並みが!

 すでに時刻は、大みそかの19時を回っている。レコード大賞も気になっている。スーパーだって、今年最後の追い込みだ。昭和の正月はスーパーだとて休店日。初売りは2日か3日。今、買わないと!!! 大人たちは時間に追われ、店内は殺気だった雰囲気を醸し出す。

 ガシャガシャと打ち込むレジの音がけたたましい。

 僕はオトンに引っ張られるように、店内をぐるぐると歩き回った。そこで、何を買ったのか覚えていない。たぶん、日本酒か焼酎だったような気がしている。

 僕の記憶に残るのは、人込みと、スーパーの店先で山積みになったしめ縄と米袋。当時は、自動車のフロントに小さなしめ縄を取り付けていた。自動車用は、しめ飾りだったっけ? 正月になると、しめ飾れない自動車の方が少なかった。〝それは絶対です〟の雰囲気があった。

 そして、何よりも、はっきりと耳に残っているのが歌謡曲。今でも、テレビのBGMに流される〝日本全国酒飲み音頭〟である。

───酒が飲める、酒が飲める、酒が飲めるぞ~♪

 その原曲がディズニー映画〝シンデレラ〟の劇中歌。〝ビビディ・バビディ・ブー〟なものだから、小学生でもすぐに覚える。

 クリスマスが終わると、有線経由でどの店先からも流されて、恐ろしいほど流行したのだ。酒さえ飲めればそれで幸せ。そんな、おっさんが覇権を握った世界である。耳にタコが出来るほど、酒が飲めるを聞かされた。だから、オトンも正月用の酒を買いに出かけたのだろう。

 楽しいとか、嬉しいとか、興奮しただとか、そこまでの話ではないのだけれど、やっぱり、1979年の大みそかのスーパーだけは、いくつになっても印象的だ。何だろ?……世の中の空気が未来に向かって突っ走っていた感じがあった。

 ちなみに、その年のレコード大賞は、ジュディ・オングの〝魅せられて〟である。これが分かるアナタ、そりゃもうお友達です(笑)

コメント

  1. 酒が飲める…いいなぁ、美味しく酒が飲める人って。○○ハラなんて言葉がなかった時代、飲めない体質だから酒が飲める行事が辛かったです。“楽しい酒” なら人生が変わっていたかも?と思ってしまいます。

    • それそれ!
      僕も酒が飲めないものだから、酒が飲めたら人生が楽しかっただろうなと思います。飲めない酒でも飲んだふりするのが面倒になって、今は飲み会全却下しています(汗)

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