───僕は、大きな間違いを犯したのかも知れない
マルナカで購入した甘太くん(大分県産)。
その味と価格に疑問を抱いていた。芋を蒸す。それだけなのに味がイマイチ。腑に落ちない点が多かった。100円なら文句も言わない。400円なら話は別。価格は高級、味は低級。前回の評価が間違いなら大分県の農家さんに申し訳が立たない。
そんな気持ちでいっぱいだった。
───もう一度、試してみよう
その言葉を胸に刻んだ。チャンスは直ぐに訪れた。愛猫サヨリのお刺身を買い飛び込むマルヨシセンター。そこに甘太くんの姿があった。価格もサイズも同等で条件は同じ。訊く必要もありません。考える必要もありません。僕は躊躇なくレジカゴに甘太くんを放り込んだ。
───やられたらやり返す、リベンジだ!
マルヨシセンターの甘太くん
マルヨシセンターの甘太くん。
焼き芋にするのはフェアじゃない。同条件で食べてこその公平。依怙贔屓はよくない。甘太くんを水で洗い、スチームクッカーで蒸し上げる。これで不味けりゃ二度と買わない。いつもの如く、僕は『宮廷女官チャングム』を見ながら時を待つ。
チャングムを楽しみに生きて来たのに、全54話が終わってしまう。日本沈没もドクターXも終わってしまった。次の楽しみを見つけないとな。年末スペシャルで忠臣蔵やんないかなぁ~。とか考えている間に蒸し上がった甘太くん。
───上出来だった
半分に割ってみて驚く。黄色みが違う、艶が違う、芋実も違う。マルナカの甘太くんとの差は見ただけで歴然だった。旨いが放つ黄金の輝き。うまい讃岐うどんは一目で分かる。それはサツマイモも同じ。
───こんなの美味いに決まってる。
うま!、これだよ、これ!、この糖度。口の中で溶けるような舌触り。いや、溶けた。深雪、粉雪、内田有紀。スーッと雪のように溶けるという表現がぴったりだった。こし餡のようなきめ細かさ。なめらかで食べやすくて、弾む甘さが心地良い。糖度の高さがそうさせるのだろう、歯の裏までも甘い。口の中で溶けてとろける。もうね、食べた瞬間離乳食。
ねっとりでも、ホクホクでも無い。栗のような鳴門金時(徳島県)でも無く、しっとりとした紅はるか(鹿児島県産)とも違う。たとえるなら、Twitter懸賞で当選した『芋ぴっぴ。』そのねっとり感を緩くして糖度を下げた感じ。バターを乗せると化ける芋。ハーゲンダッツを乗せると大化けする芋。
───つまり、スイーツ♪
この値段は伊達じゃ無い!。この感じを望んでた。この感じに歓喜した。前回のとは別物。これでこそ価格との整合性が取れるというもの。それでこそ甘太くん。おかえりなさい、甘太くん。ようこそ我が家へ。でも、やっぱり
───腑に落ちない
痛んでた?、病んでた?、それは無い。
一袋を食べ切って胃腸に不調は現れなかった。お腹が緩くなったりもしなかった。だったら何で?。あれはいったい何だった?。初詣のおみくじが凶だった。そんな気分。偶々のハズレなら、壮大で、盛大で、膨大なハズレを3連荘で引いてしまったに違いない。
何はともあれ安全を期そう。今シーズンの甘太くんはマルヨシのにしておこう。マルナカは鳴門金時にしておこう。他のスーパーにも甘太くんあるのかな?。こうなったら、もう少し食べ比べてみたい。だってそうでしょう?、
───芋が溶けるんだ。
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