木綿のハンカチーフと島田紳助

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 突然だけれど、皆さんは『電リク』という言葉をご存じだろうか?。そのフレーズを僕が耳にしたのは、初めてラジカセを手に入れた小6の春である。

 時代は『三年B組金八先生』と『ザ・ベストテン』が視聴率を荒稼いでいた頃である。異邦人、水色の雨、モーニング・モーニング・君の朝だよ。ドラマと音楽番組が晴れやかだった時代。僕はテレビの前にラジカセを置く。勝手にしやがれ、ヤングマン。好きな歌を録音するため。『今から録音するから、静かにして!』それが、録音スタートの合図であった。二つのボタンを同時に押す。これが分かるアナタ、そりゃもう、お友達です(笑)。

 その数ヶ月後に僕は知る。ラジオを録音出来るという事を。野球放送が中止の日。つまり、球場が雨の夜。その時間帯に差し替えられるのが電リク番組であった。冬期のシーズンオフ時。ゴールデンタイムの時間帯のラジオ番組は電リクだらけになった。ネットも、ゲームも、娯楽無き、小学生にはウハウハで、今日もサヨリは元気です。

 電リクとは電話リクエストの略称である。ある意味で有線放送に近いしくみであるのだけれど、ラジオではパーソナリティーがリクエスト者からのメッセージを添えて曲を流した。同じ曲が毎日流れた。ラジオの向こうでは電話のベルがジャンジャン鳴った。嫌でも当時の歌なら何でも知ってる。昭和とはそんな時代であった。多様性とはほど遠く選択肢がまるで無かった。

 時は流れて令和である。テレビは見ない、ラジオも聞かない、ユーチューブだってほとんど見ない。だから、今の歌など何も知らない。そんな僕でも知っている曲が、次々とラジオから流れた。桃畑での出来事である。摘果作業する人々は、ラジオを腰に下げてやってくるのだ。

 少子高齢化である。AM、FM、放送局はバラバラで、たぶん、耳が遠いのだろう。ラジオは常にボリュームマックス。僕は音に弱いのだけれど、文句も言えない立場であった。だから、黙って作業を熟す。ラジオも若者離れが進んでいるのか?。ラジオから流れる楽曲は不思議と昭和の歌ばかり。好きよキャプテン。久しぶりに双子のリリーズが聞きたいな。

───恋人よ、僕は旅経つぅ〜♪。

 季節柄なのか何なのか。一日に何度も流れる太田裕美の『木綿のハンカチーフ』が懐かしい。軽快なリズムに乗って地獄のような歌詞である。冷静に解釈すれば、立て板に水の酷い理屈で女を泣かせている歌詞であった。

 面白いのは突然始まる井戸端会議。太田裕美から桃畑の全員が何らかの反応を起こすのだ。歌というのは凄いものである。僕は世代的にお子ちゃまの部類。だから話題に口を挟まない。この人ら、きっと若い頃に……。そう思いながらスルーする。

「ほら、あれ。なんやったっけ?。若草……」

 また始まった。あれとこれ。途切れた会話に助け船。

「髪飾り。天地真理です」

 想い出が妄想となり新たな会話へと発展を遂げる。天地真理の時代。諸先輩方なら中学時代。曰く、青春と、反抗期と、中二病。そりゃ、想い出も色々あるのだろう。ちなみに、僕は保育園。我ながら、白雪姫をよく覚えていたもだとほくそ笑む(汗)。うらら、うらら、うら、うらで。ラジオからは山本リンダが流れ始めた。今聞いても、困っちゃうほどパワフルであった。

「キジトラ君、あの人覚えてる?。引退したあの人よ」

 天地真理からのネタ振りである。昭和40年代の年表を頭の中に僕は広げた。消えた人では無く引退した人なら幅が狭まる。この人じゃない。あの人でもない。しばらくの問答が続き、その人物の名前が記憶に縁から飛び出した。

───島田紳助。

 時代が一気にぶっ飛んだ。いくら何でもそれは読めない(汗)。

コメント

  1. 高難度な連想ゲームだなぁ。桃畑の作業に頭脳労働も含まれていたなんて…。僕には出来そうもないです。お仕事もブログも大事ですが睡眠時間は大丈夫?。しっかり確保して休んで下さいね。本当に雉虎さん、お疲れ様です。

    • 仕事の掛かりは何だかんだ話しています。山登りと同じで30分くらいで疲れて無口になります(汗)。睡眠時間はしっかり取ってますよ。今日には寝るようにしていますから大丈夫です。でも、ありがとう(笑)。

  2. 引退した人ってくくりが、ひろすぎる笑笑

    • 有名どころから弄ってます(汗)。

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