初めての深夜ラジオは明石家さんまのヤンタン土曜日(1979)

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───初めては記憶に残り、それ以降の記憶は曖昧で…。

覚えているのに思い出せない、そんな事が多くなり、それが年々酷くなる。初めてのマスクメロン、初めての遠足、初めての深夜ラジオ。

初めての深夜ラジオは小6の春であった。

───好きなの選べ。

唐突な選択に迫られて子供心に困ったけれど、それは棚からラジカセだった。初めてのラジカセは「ステレオマック ムー」という機種。矢沢の永ちゃんのテレビコマーシャルのやつ。

おねだりしたワケでなく、暴れたワケでなく、欲しいと願ったワケでもない。オトンの気まぐれで買ってもらった記憶ある。子供心に貴重品であった。今思えばパチンコで大勝ちでもしたのだろう。

───帰ると直ぐにアンテナを伸ばす。

自分のアンテナを伸ばすだけでお腹いっぱい。チューナーを合わす作業が壮大なミッションで、軽く世界を守っている気分になった。だってそうでしょう?、ノイズに紛れる外国の言葉から、ロマンの欠片を感じないガキなど僕は知らない。

───時は電リク全盛期。

山口百恵、西城秀樹、ピンクレディ、あのねのね…。知ってる曲の大サービスに放送席大興奮。土曜日の夜はドリフが終われば寝る時間。狸寝入りを1時間、そのあと布団の中へとサブマリン。息をひそめてスイッチを入れるとラジカセから小さな光が放たれた。カッケーな、オイ。小さな赤い光を頼りに、僕はおニューのイヤホンを耳に当てた。今頃、両親はウィークエンダーの時間だろうか?。

───今夜、僕は大人の階段の前に立つ。

深夜10時の時報の後でヤングタウンの放送開始。

これが深夜放送というやつ?、なんかドキドキする、知らんけど。ヤングタウンは関西圏の人なら誰もが知ってる人気番組。中学時代はヤン水の七不思議とヤン金のエロ話に華が咲いた。スピーカーの向こうでは、お兄さん、お姉さんらが集まってガヤガヤやってる雰囲気だった。僕の知らない世界が開いた。この後に別の世界が開く事も知らずに…。

───司会は若き日の明石家さんま。

明石家さんまを全国に轟かせるのはもう少し先。その放送中、僕の心に深い爪痕を残したのが公開告白のコーナーである。好きな彼女に告白して、一緒にエキスポランドのスペースサラマンダーに乗りたい。その為に今から電話で告白するのだと言う。なんか…青春、夕陽丘の総理大臣みたい。この放送をリアルに聴いていたアナタ、そりゃもう、お友達です。

───聞いてるこっちがドキドキする。

ラジオの向こう、耳に飛び込むプッシュ音、電話に出たのは母親だった。それだけで僕の緊張がテテテテテっ感じで走ったけれど、すんなりと彼女が登場。告白もすんなりと成功し、エキスポランドのスペースサラマンダーも成就される。ヒャー!。さんちゃんも大喜びで引き笑い。その場の盛り上がりがピークに達する。

彼氏:次の日曜日、エキスポランドで。

彼女:わかった。

彼氏:バイバイ。

彼女:バイバイ。

ガシャ!っと相手の受話器が落ちた音。さんちゃんのおやすみー!の声が受話器の音と僅かに被る。そのコンマ数秒後、あなたの知らない世界が開いてサヨリは今日も元気です。

───…オヤスミー…。

えーーーーーーー!!!。

切れた筈の受話器。その向こうから聞こえる小さな声にスタジオ全体がどよめいた。時はオカルトブームのど真中。コックリさん、口裂け女、心霊写真…僕の心は貞子の思春期。なにそれお化け?。ガキはガキでガキである。その後、あまりの恐怖に僕はトイレに行けない夜を過ごした。

───そんな青くてうる覚えの記憶。

忘れた記憶のトリガー引いたのはテレビで流れるさんま御殿。ラジオの公開収録で明石家さんまに無理矢理告白されられたエピソード。今ならアウトなのだろうけれど、あの頃のラジオは何もかもが面白かった。浜村淳のサタデーバチョン、鶴光のオールナイトニッポン、鶴瓶・新野のぬかるみの世界…もう一度、深夜に懐かしんで聴いてみたいな。

一等賞を引き当てた銭湯のサウナの中での出来事。

コメント

  1. この時、ラジオという電波通信の楽しさを知ったからこそ、ネット通信への興味も早くから持ったのですか?。もし、そうならお父様の気まぐれも、おそらくパチンコで勝ったのも、今の雉虎さんへと導く、運命であり神様のさしがねのようですね。パチンコの玉も運命の輪も、自分ではどうにもならない力で、転がされます。

    • そうかも知れませんね。
      当時の小学生には過ぎたラジオカセットでした。ラジカセブームの後にミニコンポブームが到来しましたが、結局、20代を過ぎるまで使っていました。過去の積み重ねで今があるのですから、今を積み重ねた未来はどんなふうになるのでしょうね?。人生の後半戦、まだまだこれから(笑)。

      • 後半?。さんまさん以上に、楽しく、笑いが止まらない人生でしょう。雉虎御殿に住んでます(笑)

        • 茶熊さん、こんにちは。
          もう少ししたら畑の様子を見に出掛けます。そのまま夜勤へと雪崩れ込み。サヨリさんは事務所の守護神のお仕事。さぁ、一丁、楽しんで来ますかぁ(笑)。

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