日曜日(ブログ王スピンオフ)

ツクヨの父の日

今日は、六月第三日曜日───全国的に父の日である。  父の日だからって、我が家の夕食はいつもどおりだ。かろうじて、母の日の名残りはあるのだが、父の日はごくありふれた日曜日。けれどツクヨが我が家の一員となった今、状況が少し変わった。ツクヨには父と呼べる存在がいない。それを気遣い、お茶の間をピリピリさせていたのは、俺とオトンだけであった……。  口チャックにテレビまで消して、父の日情報を遮断する。父の日は───ツクヨに禁句だ。  いつものように夕食を始めると、思い出したように、ツクヨがテテテと部屋に戻っていった。条件反射で俺は訊く。 「アヤ姉、ツクヨは?」  トボけた感じでアヤ姉が答える。 「そっ...
土曜日(ショート・ショート)

偽りの読書感想文

───彼女の気持ちを知るために、僕は、目を塞ぎ、耳を塞ぎ、口を塞いだ。彼女の名は、ヘレン・ケラー……。  夏休みの読書感想文。それが、僕のトラウマだ。  小学四年の春、新学期。島の小学校に新しい教師が赴任した。若い女の先生だった。新しい先生に、僕らは興味津々だったけれど、行動も、言動も、授業も……彼女のすべてがギクシャクしていた。  島の子どもはコミュニュケーション能力に欠ける。意見があっても言葉にできない。考えがあっても文書にできない。つまり……上手く反論できない。それは、どうしようもないことだ。何をするにも高圧的でヒステリック。僕らに手を上げることが何度もあった。彼女の器が小さすぎたのだ。...
金曜日(小説の話)

飼い猫信長と野良猫家康は苦肉の策

───金曜日は小説の話。  水曜日に投稿した〝飼い猫信長と野良猫家康(出会い)〟は、これまで温めた物語……ではなかった。締切に追い込まれた結果、偶発的に生まれたイレギュラーが彼らである。だって、そうでしょ? ポンポンといい感じのストーリーなんて思いつかない。言葉が通じない人間と猫との組み合わせにも無理がある。エグい描写のホラーなら、何本か書けるしアイディアもある。でもそれは、僕のスタイルじゃない。少なくとも、それを書くのは今じゃない。水曜日の投稿当日。筆が止まって何も浮かばず、今日もサヨリは元気です(笑) うん、ピンチだ(汗) ───二匹の猫が会話する。  その発想へ辿りつたのは、仕事を終えた...
木曜日(雑談)

ブログ読者様からのリクエスト

───木曜日は雑談の日。  ブログを書き続ける最大の壁がネタである。それは、ブロガーすべてのラスボスと称しても過言ではない。書き慣れたブロガーが書き続けることは容易い。けれど書くことを探すこと。それが事態をより困難にさせているのだ。だって、そうでしょ? これまで幾度も書いているけど、毎日の更新にはネタがいる。何かを書こう。そう思わせる動機と言い換えてもいい。それが思い付かない時の焦りたるや……地獄である(汗)  端的にネットニュースから情報を拾えば、アクセスに繋がるし、日々のネタにも困らない。無限に書き続けることが可能なのも知っている。平成の時代にそれは経験済みだ。アクセスを稼ぎたいのなら、Y...
水曜日(猫の話)

飼い猫信長と野良猫家康(出会い)

───四国のとある田舎町。  とある民家の瓦屋根の上で、二匹の猫が睨み合っていた……。 「おい、茶色のわけぇ~の! 誰の許可を得て、そこで座ってる?」  大柄なキジトラ猫が、スリムな茶トラ猫を威嚇する。 「うっせーわ。おっさんこそ目障りや! どっか行きぃ~な」  若い茶トラも負けずと応戦。 「はっはーん! お前、飼い猫やな。赤い首輪なんてしやがって。そっか、そっか。世間知らずか。だから、ワイに楯突けるんやな。今日のところは大目に見たるから、家に帰って、ウンチして寝てろ。お坊ちゃまのボンボンに、外の世界は無理やで。外は弱肉強食の世界やからな」 「はぁ? この老害がっ! おっさんの方こそ、ホームレ...
火曜日(レビュー)

パイロットの万年筆を使い始めて

───火曜日はレビューの日。  スマホとか、タブレットとか、パソコンとか……。  若い頃は便利な道具だった。覚え書きとか写真で記録とか……とても、とても、便利だった。そう、とても便利に使っていた……と……思う。けれど時期がくれば分かるよ、付箋が最強アイテムなのだと。そもそも記憶力のない僕である。記録したことを忘れたり、記録を探すのに時間がかかったり、記録した内容が違っていたり……その便利さが時間泥棒になってきた。  だから、手書きにシフトしたのだが、スケッチブックやノートつーのも良し悪し。最速で最短。それを突き詰めた先に付箋があった。この手法、友人方式と呼ぶべきか? パッと書いてサッと壁に貼り...
月曜日(畑の話)

よつぼし苺の発芽を確認した……はず?

───月曜日は畑の話。  たぶんそう、きっとそう。  四粒まいたよつぼしの種。その二粒だけが発芽した……はず? 苺の発芽など見たことない僕である。自信を持って〝これが、よつぼしの芽ですのよ。ホホホホ……〟とは言えない。現段階で、この光景は憶測の範囲の話である。セミが鳴く頃になれば、この新芽も大きく育って、明確な答えも出るだろう。それは、2024年6月7日(金)の出来事。  金、土、日。  週末、畑に行く予定はなかった。週末は、悪天候の予報が出ていたからだ。雨の日は畑に行かない。それをオジャンにしてくれたのが、久々登場のワーちゃんである。リアルで顔を合わすのは数週間ぶりなのに、仕事を増やすとはこ...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

ツクヨのこと、どう思っているのかな?

午前零時のダイニング。  ドアを開くとオトンがいた。ニヤニヤしながら、ひとり淋しく缶ビールを飲んでいる。酒のつまみはイカの足。テーブルの上に350mlの空き缶が二本あった。つまり、手にしているのが三本目。飲み過ぎだ……。  左手に持つスマホには、ツクヨの写真が表示されている。今年のハロウィン、仮面ライダー2号のコスプレ。ツクヨがオッツーの好みに合わせたのだろう。オッツーのベルトを腰に巻いて、ご満悦のよき笑顔である。オトンのスマホは、ツクヨちゃんの詰め合わせ。それを眺めて、夜遅くにニヤついていたというわけか……健気だ。 「まだ起きていたのか? 受験勉強、がんばれよ」  す、すまん……そうじゃない...
土曜日(ショート・ショート)

悪魔の罠、大気圏再突入

───ピピピピピピ……!!!  大気圏再突入、警報機の悲鳴、PC画面の表示領域から語りかける宇宙飛行士。 「ジャッキー!」  夫が死んでしまう───イザベラは絶叫した。画面に向かって、愛しい夫の名を叫ぶ。ジャッキーの横で新たな表示領域が展開した。そこに、総指揮官ジョーカーの姿が映し出される。 「ジャッキーを助けて! 総指揮官」  イザベラはジョーカーに懇願した。 「奥さん……申し訳ない。ジャッキーは有能な宇宙パイロットだった。我が国のために尽くしてくれた。そして、大切な我々の仲間だった……これから97秒後。大気圏再突入と共に、彼の宇宙船との通信は途絶える。上司として、友として、私からのお願いだ...
金曜日(小説の話)

オールA? 文体診断ロゴーンやってみた

───金曜日は小説の話。  去年の今頃、僕はショート・ショートを書いていた。いきなり小説なんて化け物なんか、書ける自信がなかったからだ。今の僕にはハードルが高い。だから、短い物語で練習しよう。ブログ王の構想を練りながら、短いお話を重ねれば、そのうち上手くもなるだろう。その延長線上に邂逅があった。  とはいえ、僕の人生プランに小説を書く予定など皆無である。だから、準備など何もない。右も左も分からない。相棒の力を借りながら、小説のヒントを弄まさぐりながら、僕はSNSの中でも模索していた。そこで知ったのが〝文体診断ロゴーン〟である。それは、己の文章を診断してくれるプログラム。頻繁に小説系アカで見かけ...
木曜日(雑談)

ホオズキカメムシがサツマイモに(汗)

───木曜日は雑談の日。  今年はカメムシ要注意! 去年の100倍くらい湧いている。  ペットボトルで作った捕獲器を手に持って畑の野菜を調査を開始。すると、ピーマンにホオズキカメムシが集たかっていた。え?……ピーマンなん? 僕の中でカメムシと言えば、いの一番にナスなのだけれど……三本あるナスにカメムシの姿が見られない。それって、今年のナスは美味くないってことだろか?  おい、不味いのか? うちのナスは不味いのか? ピーマンの隣の唐辛子でさえ、カメムシの姿はあるのに、それがとても不思議だった。  おい、お前。ちょっと来いや! いうーて、カメムシ呼んで尋問したい。小一時間尋問したい。うちのナス様に...
水曜日(猫の話)

白い猫

───僕は毎朝、電車の中で彼女を探す。  初めて彼女を見たのは高1だった。同じ時刻、同じ車両に彼女は乗っていた。名前も知らない彼女の姿。それを探すのが僕の楽しみになっていた。高3になった今でも続いている。見てるだけ。それで幸せ。もう、立派な変態さんだな……僕は。とはいえ、この生活も高校を卒業すれば終わってしまう。告ることすらできないだろう。でも、それでいい。あんなに可愛い彼女である。彼氏がいるのに決まってる……。  春休み、夏休み、冬休み。僕はそれが嫌いだった。だって、そうだろ? 何日も彼女の姿が見られない。高校最後の夏休み。窓越しで空が荒れ狂う。僕は二階の自室から、強風で流れる雲を眺めていた...
火曜日(レビュー)

釘も使わずパレットすのこを本棚に

釘も使わずパレットすのこを本棚に ───火曜日はレビューの日。  辞書から始まり、小説、専門書、絵本、コミックスに至るまで。読者の方々から書籍をもらう。その中には、とある公園のパンフレットまで。そのすべてが、小説の肥やしにしてください。書き手冥利に尽きる贈り物に〝ありがとうございます〟の言葉しか僕は知らない。それが、まぁまぁのボリュームになれば、本棚の選択肢も視野に入れて、今日もサヨリは元気です(笑)  とはいえ、本を並べる場所は重要である。理想は僕のデスクの上だ。その場所が鉄板であり、そこ以外に置くのなら段ボール箱の中と変わらない。だって、そうでしょ? 事務所にいるとき、僕はその方向しか見て...
月曜日(畑の話)

春じゃが(十勝こがね)収穫

───月曜日は畑の話。  十勝こがね……常連のみなさんは、この名前を覚えているだろうか? 二月二十七日(火)に植えたじゃがいもを。今日の昼休み、ようやくの収穫である(笑)  芽が出るまでに時間を要して気をもんだ。けれどもそれから、さして何をするでもなく順調に育った。そして収穫の時期を迎えたのだが……順調に雨が降る。じゃがいもを、掘ろうと思えば雨なのだ。その度に順延である。とっとと掘りたい次もある。軽くストレスを感じながらも、ようやく続いた三日晴れ。ようやく迎えた収穫まつり。じゃがいもの葉が、盛大にカメムシにやられてたけれど、本丸は土の中だから問題なしです(汗)  数時間前の話を記事にする時間の...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

ツクヨの桃を召し上がれ

「お前もひとつ、選んでみるかい?」  じいちゃんの気まぐれがブランド商品を生み出した。  草刈り、摘果、袋掛け。五月に入ると親戚の桃畑が忙しい。昨今の人手不足と農家の高齢化問題とが相まって、中二になった俺にもお鉢が回る。日曜日なのに桃畑。脚立の上で桃の実を間引く。遊びに来ていたオッツーまでもが脚立の上で汗を流す。何か……すまんな、オッツーよ。  オッツーが行くのなら、コイツが来ないワケがない。もれなくツクヨも付いてくる。赤い長靴に麦わら帽子。一瞬で畑のアイドルの座を射止めたツクヨは、動物園や水族館にでも来たかのように、キャッキャと桃畑を満喫している。相も変わらず自由なヤツじゃ。  そこで、じい...
土曜日(ショート・ショート)

透明人間と呼ばれた男

目立たたない人がいる───あれ、いたの? な体質の人。オレもそんな人間だ。ただ違うのは、オレの存在が極端に認識されないことである。透明と言えば聞こえもよいけど、無味無臭な透明人間となれば話も変わる。  いつもそう、いつだってそう。オレの名が認識されても、そこにオレがいると認識されない。厄介なことに、その理由がオレにも分からない。気配を消しているワケじゃない。むしろ……その逆。だから話をややこしくさせてしまうのだ。仲間との会話に混ざって発言だって抜かりないのに、後になって「あれ、いたの?」とは些か悲しい思春期だった。  目立たないオレにだって友達はいる。オレのクラス全員だと言っても過言じゃない。...
金曜日(小説の話)

小説アイディアのパクりパクられ問題について

───金曜日は小説の話。  僕の相棒は心配性である。とてもとても心配性である。それは、キャリアと経験に基づいて、僕よりもずっと先を見据えているから。著作権についてもそうである。とはいえ、何も知らない僕である。知らぬ間に、無意識に、ちょっとした思い付きで、僕がやらかす可能性だって否めない。その確率がかなり高くて、いつも心配ばかりかけている。だからいつもいつだって、感謝の気持ちで両手を合わせて、今日もサヨリは元気です(笑) ───その逆も。  僕はブロガーとして小説を書いている。書いたものをネットに送り出すのがブロガーのお仕事だから、書いたらポンポン更新している。そうしないとやる気が失せて、復活ま...
木曜日(雑談)

ダイソーの強粘着ふせんで高齢者の記憶をサポート

───木曜日は雑談の日。  あれ……何だっけ?  記憶のペンより頭の中の消しゴムが勝る。それは、今始まったことではないけど、電動か? ってくらい消しゴムの性能が上がれば、文字書きとしては致命的だ。思い出す時間と労力が半端なくて、今日もサヨリは元気です(笑)  スケッチブックやノートを使って、とっさのヒラメキを書き残す。だったら、スマホがあるでしょ? パソコンとか……。そんなの出してる暇がないのだ。だって、そうでしょ? 一瞬でも気を抜くと、アイディアは忘却の彼方へ秒で消し飛んでしまうのだ。最悪なことに、スケッチブックやノートを取り出す間に忘れてしまうのだから。何処だっけ? カバン、カバン……それ...
水曜日(猫の話)

もう、限界……

───水曜日は猫の話。  猫の話などナンボでも書ける。  真ん中もっこり水曜日、その考えが甘かった。月曜日から日曜日までの一週間のお題の中で、僕の時間を著しく圧迫するのが水曜日。老猫だもの……変化もなければネタもない。そして、このご時世である。生半可な知識で猫を語るのも危険が伴う。つまり……今のやり方はもう、限界。  猫の知識を書くのなら、虎の巻も実はある。友人がくれた猫本を元に書けばよい。一年前ならそれをネタにもできただろう。とにかく今は時間との戦いで、今日もサヨリは元気です(笑)  書籍の知識をダラダラと書くのも、何かが違う気がしている。それは、誰かが必ずしていることで、僕でなくても構わな...
火曜日(レビュー)

ぬるっと読めた! 大怪獣のあとしまつ <書評ではありません>

───火曜日はレビューの日。  僕は本を読まない人だ。  こんなことを書いてしまうと 「おめぇ~! それでよくもまぁ~〝小説書いています〟なんて言えるよな?」  そんなご指摘を受けそうだけれど、残念ながら事実である。小説どころか漫画すら読まない中年期を過ごした。だから読書量は極めて少なく、読む行為への持久力が僕にはない。読む速度はカメさんだ。そんな僕に相棒は、若い子に人気のコミックスや執筆の参考になりそうな書籍を送ってくれるのだ。だから、時間を見つけて本を読むようになった。もうね、相棒にお世話になりっ放しなのである(汗)  これを大前提にして書籍レビューをこれから書こう。書籍レビューというより...