ようやく食べた徳島ラーメン

　全国的に木曜日。

　でも、いつもの木曜日何かが違う…。お隣、徳島県への移動中、僕は車の後部座席で違和感を感じていた…。

「おかしくないか？」

　ハンドル握る若い衆に問いかける。

「何がですか？」

　と、そっけない返事が戻ってくる。

「車が少ない…」

　いつも混み合う国道が真夜中のようなのだ。別世界にでも迷い込んだようにスイスイと車が走る。実におかしい…おかしいと思わない方がどうかしている。

「今日、祝日ですよ（笑）」

　知ってる、それ嘘でしょ？　いつから日本は、休日ばかりになったのだろう？　少し前にも祝日だったような気がして、今日もサヨリは元気です（笑）

「で、何の日？」

　当然のように問い返す。

「知りません…」

　調べてみると、勤労感謝の日であった。そっかそっか。きっと、今日は、勤労に感謝にながら勤労する日なのだろうな。だったら、今日のお昼こそ、徳島ラーメン食べに行こうや？　だってそうでしょう？　今年、何度目の徳島ですか？　何故、いつもすき家ですのん？

───徳島出張多いけど、ほんとに徳島行ってるの？

　そろそろ徳島出張を疑われ始めている。

「徳島行ったのに、ラーメン食べないの？　ほんとに出張先って徳島なん？」

　それが、実に不愉快だった。現場の近くにすき家とコンビニしかないのだから仕方ない。でも、今日は勤労感謝の日だからと、メンバー満場一致で徳島ラーメンを攻めることにした。スマホで調べると〝つけめんの店 旭〟。そこが、現場から一番近い店であった。僕にとって、念願の徳島ラーメンである。

　移動中、メールの着信に気づく。メールを読んで、思っていることをスマホに残した。それは、僕の文章についての考え方である。

　小説を語れるほど、僕は小説に勤しんではいない。子ども用プールくらいキャリアが浅い。だから、ブログについてが主軸である。

　ブログは不特定多数に向けて書くものである。だから、世の中の平均値を予測して書く。もしくは多数決で多い方を取る。それが、鉄板で理想的。昔はそうやって書いていた。

　この考えが変わったのは、コロナ禍の少し前の年からである。２０１８から２０１９年のころ。理由は単純であった───オモロない。ただそれだけ。下手に小銭が稼げているのなら、この思考が働くこともなかった。けれど、現実にはそうでもない。だったら、好きに書こうかね（笑）　ブログに軌道修正は単なる気まぐれからであった。

　不特定多数から、書き方の照準を自分に向けた。自分と似通った思考の持ち主が、１億２０００万人中の０．１パーセントならいるだろう？　そこが全ての出発点。自分とよく似た読者の脳を使う書き方を考え始める。理解出来ない人には永久に分からない…そんな、単純な連想ゲームだ。

　たとえば、〝同じく〟と言ったら───井坂十蔵。これで、昭和の時代劇 隠密同心のテーマが流れたアナタ、そりゃもう、お友達です（笑）

　この手法は、手をかえ品をかえながら今でも多用している。記憶の断片を刺激して、あわよくば、風景や、光景や、ドラマのシーン。音楽まで引きずり出せれば僕の勝ち。そんな感じで。

　１００万本と書けば薔薇である。加藤登紀子の名曲と歌詞の意味。そこまでイメージが届けば、僕の言わんとしている内容も想像に難くないだろう。ある意味、僕は読者を信じて書いている。だから、全てを書かないのも日常だ。

　そして、もうひとつ。昨日のSPY×FAMILYの第１巻。その表紙の裏側。遠藤達哉先生のお言葉を引用すれば、

───映画やアニメの「正体を隠してる」系のお話が好きです。

　真実を隠しながら書く手法もよく使っている。だから、ヘンテコな表現になることも多い。分かる人だけ分かればいい…隠語のような表現である。伝えたい人物像。その枠が狭くなればなるほど、日本語からかけ離れたヘンテコな表現になる。けれど、銭じゃないからそれでいい。仕事なら、四角四面な文章しか僕は書けない。遊びを入れるだけのテクもない（汗）

　何故、ここでこの表現？　そう思えたら、きっと必ず裏がある。そう、言いたいのだけれど、僕は、万年通信簿国語〝２〟だから。ポカミスも連発中である。狙うもあり、イレギュラーもあり。そこが、僕の文章がややこしく感じられる原因なのだろう（汗）

───いつも自由な文章ですね（笑）

　この言葉。

　僕の記事への感想の中によくあるフレーズ。これが最高の褒め言葉だと僕は思っています。読者を置いてけぼりな文章も多々あるのだけれど、ブログ全体を読み漁ると、必ず答えがあるような書き方をしています。笑っているのに泣いていたり、絶頂なのにどん底だったり。僕も「正体を隠してる」系のお話が好きです。１２月から掲載を始める小説も、その視点から読まれると、別の感想が生まれるかもです（笑）

　そうそう、徳島のラーメン。とても美味しゅうございました。つけ出汁の味が濃いからライスでも…。

───急激な血糖値の上昇は…

　そうだった、そうだった。炭水化物のダブルパンチは、友人に止められているので我慢しました（汗）