コーナンで買った防水腕時計の1年後

　２０２２年６月。

　畑を始めて秒でチャリでは無理だと悟る。悲鳴をあげる財布を無視してスクーターを購入した。右手首を捻れば勝手に動く。息も切れない、汗もかかない。実に快適な一年が過ごせた。百点満点のお買い物である。太ったことを除いてな（涙）

　スクーターに乗り始めると困った問題が発生した。走行中、今の時間が分からないのだ。そんなのスマホがあるじゃない？　それはそう、今まではそれ。けれど、スマホを手に取ればおまわりさんに怒られる。そもそもポッケからスマホを取り出すのが面倒くさい。だから腕時計を買おうと決めた。ちょっとゴツくて、蒸着じょうちゃくとか、赤射せきしゃとか、宇宙刑事に変身できそうなやつを探す。Gショックみたいなデザインが理想であった。これが分かるアナタ、そりゃもう、お友達です（笑）　もちろん予算など全くなかった。

　畑をはじめたこともあり、ダイキ、ジョイ、コーナン…ホムセンに通う日も多くなる。そこで見つけたGショックのパチモンである。チラッと見ればGに見えなくもない。かなり寄せたデザインであった。一年くらい使えて時間が分かれば何でもよいのだ。防水加工なのに税抜き千円未満のお手頃価格。僕の心臓が揺れない方がどうかしている。劇場版ポケットモンスターキミにきめた！な勢いでレジに進んだ。たぶん、１０気圧防水加工なんて嘘であろう、すぐに壊れるに決まってる。きっと、水没したら文字盤のガラスの裏側に水滴がつくやつでしょ？　それを承知で購入に踏み切る。メーカー名はJ-AXISジェイ・アクシス。うん、やっぱり知らね。取りあえずパチモンゲットだぜ（笑）

　それから外出時には、必ず変身できない腕時計が僕の左腕に装着されている。防水加工と知りながら、雨に当てぬよう、水に濡らさぬよう、それでも盆の頃まで大事に使った。その頃になると左腕の違和感もなくなり、このパチモンが僕の生活に欠かせないアイテムとなった。

　使い方が荒くなり始めたのは三ヶ月を過ぎた頃。水が入ったバケツの中に落としてからである。やっべ！千円落とした！　十代の頃のスピードで、時計をバケツの中から引き上げて、すぐさまタオルで拭きあげた。それは、トイレにスマホを落とした感覚と似ている。二日ほど様子をみて、時間が狂ったら買い替えだな…その心配をよそ目に時を刻み続けるパチモンであった。もしかして、パチモンじゃなくてホンモン？

　パチモンだと馬鹿にしなから、記事にもしなかった腕時計が壊れない。ホホホホ…わたしの戦闘力は５３万です（笑）　それを確信してからの使い方は荒くなる。ホンモンはそう簡単に壊れないはず。手を洗う時、石鹸をつけて時計ごと洗うようになった。すでに千円の元は取れている。だから限界まで使う。そんな気分で、今日もサヨリは元気です（笑）　

　一年間、使い倒した今日も僕の左腕で活躍中である。もうね、壊れる気がしない。凄くタフなところが気に入っている。見た目だって割とイケてる。だから、次もこれでよいかなと考えている。

　ちなみに、バディからの質問はこうである。

「その時計、いくらした？」

「いくらかな？」

「三千円！」

「惜しい！」

「二千五百円！」

「その半分以下やで（笑）」

「同じの、買ってもいいか？」

「爺とおそろはイヤじゃ（笑）」

　この時計、高齢者には三千円以上の価値に見えるようである。時間が知れたらそれでよし。ブランドなんて気にもしない。そんな方にはおススメの時計だった。使い始めて一年と一ヶ月半。最後まで使ってみて壊れたらご報告しようと思う。

　あと二年くらいは動くかな？