───ブログとは言葉で実感を伝える装置である
年末、『宮廷女官チャングムの誓い(2004)』を見終えた。全54話の長丁場だけに思い入れも深くチャングムロスに襲われた。目には目を、歯には歯を、ドラマにはドラマを、貞子さんには伽椰子さんを。レビューを羅針盤に次のドラマ候補を探す。程なくして高評価ドラマに出会す。
───高評価が異常値を示していた
レビューの数、レビューの内容、アタリの予感。『トッケビ〜君がくれた愛しい日々〜(2016)』である。チャングムと同じ韓流ドラマ。ただ、大きな問題も抱えていた。感情移入出来る気が全くしない。だってそうでしょう?、ファンタジーラブロマンス───枯れた僕にはそぐわない。
───キミを見つけた。恋を知った。と言われても…
人生は短い。観る観ないの結論は1秒でも早いに越した事は無い。ABEMAとGYAO!で無料視聴が可能なタイミングだった。無料の花言葉は「僕、大好き」。いわゆるイッキ見というやつだ。チャングムロス、年末休暇、無料視聴に背中を押される。
2話のラストでドハマりを確信。
そう、ウンタクを救出に向かうシーン。光と影のコントラストが美しい。トッケビと死神が仕事人チックでカッヨイイ!。ちょいちょいTwitterへ「トッケビ」のワードを入れ始める。
───そうなると止まらない
楓の国、韓国の街並み、学校、図書館、チキンの店、トッケビと死神の住む家…。動くポートレートのような映像美にOST(オリジナルサウンドトラック)がバッチリと合う。そして、脇役、悪役、チョイ役、子役を含めた俳優陣の演技も美味い。
トッケビは悲しく笑い、ウンタクは真実の愛に苦悩し、死神は報われぬ恋に涙し、サニーはあくまでも気丈に生きる。そして、叔母さんは最後まで憎たらしかった。
───俳優陣を生かすセリフが秀悦で極上、僕の意識は脚本家へと向かう
シリアスでもコメディでもキラキラと言葉が光った。
言葉の魔術師?トッケビの脚本家はどなた?
脚本は、キム・ウンスク女史だった。パリの恋人、シークレットガーデン、太陽の末裔の人だった。面白いのも頷ける。面白くない訳がない。男性なら絶対記憶すべき言葉の数々。まさしく宝の山で、ブロガーなら尚更だ。だってそうでしょう?、文法が違うのだもの、言葉のチョイスが違うのだもの。つまり、チョイスする語彙の種類が違うのだ。
全問正解の恋をする。そんなふうに出会いたい。
トッケビ15話 サニー(チキン屋の社長)のセリフ
───全問正解の恋て、こんなの逆立ちしたって思いつかない
知ってる、それ噓でしょ?
トッケビ1話 ウンタク(女子高生)のセリフ
───なんかJKなら言いそうだけれど、これすら出て来ない
心臓が振り子のように大きく揺れていた。
トッケビ4話 キム・シン(トッケビ)のセリフ
初恋だった。
───揺れねぇ~、心臓は揺れねぇ~!
女性にとって耳障りの良い響きがそこにある。女性が囁いて欲しい言葉がそこにある。男性が思いつかない音がそこにある。もしかしたら、僕の文脈も化けるかも知れない。だったら全部覚えてしまえ。何なら文字お越しでもするか?。読者は男だけじゃないのだ。知って置いて損はない。
───その勢いでトッケビを観続け、聞き続けた
ストーリーそっちのけだった。キスシーンも程々だった。そのうちABEMAに吹き替え版がある事に気づく。そんなの最初から見直すに決まってる。没入感なら字幕版が断然上。けれど、吹き替え版も凄く良い。作業中のBGMとして何度も再生して何度も聴いた。
───覚えられなかった
悪かった、悪かった、自分が馬鹿なの忘れた。気に入った言葉をユーザー辞書に記憶させ、ノートの書き写し、ゆっくり頭になじませる。枯れた頭の記憶力は頗る悪い。みんなが思っている以上に覚えが悪い。覚えていた事さえ思い出せないほどだ。
それはまさに、成就が先か、成仏が先かの攻防戦。ポジティブ思考で行こう、いつかはブログの肥やしになるだろう。あとは記事を書き続けるのみ。それ以外の方法を僕は知らないのだから。
───アナタの名言1位は何ですか?
キム・シン、ウンタク、死神、サニー。数あるトッケビ名言の中でアナタの心を震わせた名言1位は何ですか?。そこに凄く興味があります。よかったらTwitterとかで教えて頂ければ幸いです。
───僕ですか?
そんなの「お前、パンツに一体何をしたんだ?」に決まってる。
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