愛媛県産の真あじが安い(税込645円) 

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愛媛県産 真あじ 養殖
うちの猫の話


───決まったな。

スーパーの鮮魚コーナーは、毎日がギャンブルである。安値なら極楽、高値なら地獄。たとえ旬の魚だとしても、不漁が続けば何も手に入らない。去年は安かったのに今年は…。そんな事は当たり前である。他でもない。

───愛猫サヨリのご飯の話である。

2022年、初鰹がイケる気がした。けれど、タタキはあれど生は無し。初鰹は僕の理想にはほど遠かった。期待していた二番手のツバス(ハマチのちっこい版)も偶に見かける程度で勢いを感じない。結果、最近の刺身は台湾産びんちょうマグロかサーモンの日が多い。

───つまり、お財布に厳しい春である。

そんな中、僕の好物のアジが目に飛び込んだ。知ってる、それ、お高いんでしょ?、誘惑しても無駄だから。咄嗟にアジから視線を逸らし、別魚の価格をスキャンする。

───今日も高いなぁ…実にお高い。

一周回ってアジを確認すると…。真あじだった、大きかった、養殖だった、税込645円で残り2パックだった。心臓が揺れる音がした。

───アジの旬は初夏〜晩夏。

このサイズだったら2日分というところ。けれど、青魚は足が早そう。ギリでイケるか?、いっちゃうか?。アジはフライも美味いけれど、刺身はもっと旨いんだよなぁ。今思えば、答えは最初から決めていた。

───ロックオンするに決まってる。

このサイズ、サヨリだけでは荷が重い。食べ過ぎてお腹を壊したら大変だ。だったら僕も参戦しよう。共同戦線を張ろう。アジだもの、真鰺だもの。僕にも食べるの手伝わせてくれろ。サクっと手に取る切り身から、ずっしりとした重力を感じた。

───これは早く見せないとデス。

おやつの時間を少し回った、パワーシティでの出来事だった。

僕と鰺と猫

ガサガサとレジ袋が擦れ合う音。若武者だった頃のサヨリの反応は凄まじかった。落ち着き無く飛んで来たものだ。けれど、今はおじいちゃん。落ち着きの極みで、ガサガサ程度では興味を示さない。

未だに反応が激しいのはマックのポテトである。揚げ物の匂いが好きなのだろう。未だに空袋へ頭を突っ込んでいる。彼が口に出来る可能性はゼロなのだけれど。

───一応ね、儀式だから。

真あじのパックを鼻先に近づける。これが今夜のご飯というのは理解しているようで、匂いを嗅いでから定位置にもどり、いつものように姿勢良く座る。置物のようになって動かない。一口サイズに切り分けて、それを口に運んでくれるのを待っているのだ。

───お行儀の良い子である。

お行儀の良い子はここまで。

一切れ口に含めば野生が目覚める。椀子そばのリズムでパクパク食べる。今日の獲物は大きいから多めに切り与えた。休憩を一度挟んで一気に完食。その後、冷蔵庫の前で姿勢良く座る。

───ミルクの催促である。

ワイングラスに注がれたミルクをサヨリが飲み始めると、僕は鰺の刺身をつまみ喰った。海の香りと身の舌触り、甘味、旨味、石原さとみ。それは幸せの味だった。これだけでご飯三杯は軽くイケてしまう。どう考えても猫には贅沢な味である。久々に刺身を食べてみて思う。

───こいつ、良いもん喰ってんのなー。

美味しく食べて長生きしてくれるのなら、それで僕は構わないけれど。

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