台風だから二個目のシャリっ娘を食べてみた

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自家菜園

 2023年8月15日。

 台風7号が日本に上陸した。予想進路が絶望的で事務所で待機の一日であった。うちの事務所は横雨に貧弱である。東から暴風雨になると、決まって事務所が水浸しになるのだ。だから嵐が過ぎ去るまで気が抜けなくて、今日もサヨリは元気です(笑)

 スイカ、食べよ。

 前日に一個のスイカを採っていたのだ。それを嵐の中で喰ってやろう。台風コロッケの代わりの台風スイカである。収穫には少し早めな気がしたけれど、台風でどうにかされるのなら、とっとと喰ってやろうと考えたのだ。だから、味の保証など何処にもなかった。

 品種は前回と同じシャリっ娘である。まだ、畑に5、6個ほど転がっている。へぇ、可愛いな。偶々、名前買いした種であった。後日談だけれど、友人もシャリっ娘という名前が好きで話題にしていたそうである。君とは、何から何まで趣味が合うのな。そんな事を考えながら、一晩、冷蔵庫の中で冷やしたスイカを取り出した。

 シャリっ娘はキンキンに冷えていた。

 前回のシャリっ娘は、思ったのと違う味がした。嫌いじゃないけど水っぽい味がした。二個目の味は如何なものか? リベンジを兼ねてデスクの上にドンと置く。先にデスクの上で陣取っていたサヨリは不機嫌そうな顔で僕をにらんだ。

 ええやんか? 冷たいで(笑)

 冷えたスイカを近づけても、サヨリは興味を示さない。そっと近づけると少し離れる。ドンドン近づけると、ドンドン後退してゆく毛玉であった。スイカを食べる猫もいるそうだし、猫がスイカを食べても大丈夫らしい。けれど、サヨリには食べる意思などないらしい。そもそも、食べ物という認識すらないのだろう。

 僕は気にする事なくスイカを割った。

 この瞬間、いつも怖い。けれど、真っ赤な果肉に安堵した。それと同時に、僕は香りで直感した。今回のシャリっ娘は前回とはまるで違う。鼻先へ甘い香りが通り過ぎたのだ。つまり、こいつは甘で(笑)

 僕のニヤつきとは裏腹に、サヨリの目は不満げであった。どうやら、この緑の球体を敵だと思っているのだろう。射貫くような目でスイカを睨み、プイッと反対側に顔を背けた。僕の知らない彼の過去。野良猫時代にスイカと何かあったのだろう。まぁ、田舎だもの。夏になれば何処にでもスイカは転がっている。それを妄想しただけで、ショート・ショートの一個でも書けそうな気がした。

 半分に切ったシャリっ娘を、さらに小さく切り分ける。このタイミングで言うのもアレだけれど、僕はスイカが得意じゃない。味が嫌いとか、腹を下すとか、そう言うのではない。種が面倒くさいのだ。ひとりだったら構いやしない。けれど、お客さんに行った時とか、人目がある場では基本食べない。同様の理由でブドウもそれほど。自分が食べてる格好が気になるのだ。

 でも、今はひとり。

 二度目の試食に取り掛かる。その答えは簡単である。美味さ、甘さ、瑞々しさ。その全てがスーパーに出せる味であった。昔懐かしくない、今風の甘みが口の中に広がった。全てのスイカに安定した味の提供は出来ないけれど、甘いスイカも出来たのだ。それだけ分かれば上出来である。次は三度目、来年もスイカを作ろう。素直にそう思えた。うん、うめぇ。

 サヨリはと言うと、僕がスイカを食べている目の前で、ずっとケツを向けて眠っていた。ちょっと囓ってみれば良いのに…

 台風の前日。

 僕はサヨリと港に出掛けた。サヨリに涼を取らせるための日課である。散歩と、夕涼みと、ありもしない人捜しを兼ねて。それを、X(旧ツイッター)にポストしたけれど、こちらにも貼り付けて記事を締め括ろう。

 お盆も終わり…

 

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