猫の15歳は人間の75歳くらい

僕は愛猫サヨリの赤ちゃん時代を知らない。いつどこで生まれたのかも知れない。初めて見たときは綺麗な美人さんだった。いつも取り巻きを引き連れてお嫁サンバが似合う美猫だった。印象的な瞳に菜々緒を思わせるプロポーション。家族全員を華麗に欺き実は男だったというオチ。お前はルパンか？。東野圭吾の小説のように、奇想天外なニャン生を生きてきた彼も、今年で15歳（推定）。自慢の牙は抜け落ちた。

猫は最後まで可愛さたっぷり

にゃぁ～にゃぁ～と可愛いの暴力を振りかざしながら、日々、可愛いを強調する14歳。ごわぁ～んと鳴けばご飯の催促。人間なら青い春という名のダンスを踊る年頃。今年で推定15歳。Googleで検索検索すると猫の15歳は76歳。彼もすっかりおじいちゃん。おじいちゃんに見えないおじいちゃん。しかし、口まわりを掻き始めると怪我でもしたら大変だ。どん兵衛カラーを装着してしばらく過ごす。

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いつも近くにいて、いつ見ても可愛いくて、いつも癒しをくれる不思議ちゃん。僕にとってサヨリさんは、猫というよりも、エイリアンとか、UMAとか、謎の生物に近いかった。もしかして、こいつ…死なないんじゃないのか？。幾度の危機を乗り越えて、最近そう思うようになってきた。勘違いや錯覚よりも、これは僕の願望なのだけれど今年は頗る調子が良さそうだ。飯を旨そうに食べている。

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トッポは最後までチョコたっぷりと言うけれど、猫は最後まで可愛さたっぷり。iPadを弄れば、iPadの上に乗り。ノートパソコンを触ればキーボードの上に乗る。

仕方がないので小さな丸テーブルの上にクッションを置き、ビップシートを新規設置。僕の隣でご機嫌さんに座るのも、ご機嫌さんで眠るのも、生活の一コマになった。

食欲は健康のバロメータ。一昨々年は最悪な夏だった。突然カリカリを食べなくなった。そして、ちゅーるにそっぽを向く。２本の牙が抜け落ちた。口の中では大きな穴が開いている事だろう。猫友に聞いてみると歳を取ると普通にそうなるのだとか。「人間だって歯が抜けるやろが」まぁ、そりゃそうなのだけれど憂鬱な日々を過ごした。

ご飯を食べないし元気もない…僕の心も折れかけた。万策尽きたとはこの事だ。「どうせ死ぬなら豪勢にだよ、好きなもん喰っときな！」そんな気持ちでマグロの刺身を与えてみた。一切れ食べた。二切れたべた。結局、全部平らげた。そして、仙豆を食べた悟空のように見る見る元気を取り戻した。それ以降、サヨリさんはフリーザ様になった。我がままニャンコだ。