2024-04

水曜日(猫の話)

謎のミミズ腫れ

水曜日は猫の話。  人は問う……。  己とは何か? 命とは何か? 宇宙とは何か? そして……猫とは何か? それに明確な回答を示した者はいるのだろうか? 高名な学者でさえ、今でも難解な問題であろう。すっと家庭に潜り込み、人をしつけ、意のままに人を操る。それに気づかぬまま、人は日常を繰り返す。猫とは永遠の謎なのかもしれない……。 ───なんでなん!  我が家に愛猫サヨリが潜入したころ、僕は謎のミミズ腫れに悩まされていた。目覚めると、決まって右腕の肘から手首にかけて10センチほどのミミズ腫れができているのだ。ジンジンして焼けるような痛みで目が覚める。定期的ではないにせよ、数回続くと不安にもなる───...
火曜日(レビュー)

サッポロ一番 塩とんこつラーメンに胸騒ぎ

火曜日はレビューの日。  僕は豚骨ラーメンが食べたいですよ!  今の気分は、あっさりしたやつ。喜多方風とか、熊本風とか、そっち系の店もある。あるにはあるけど、バイクを飛ばして小一時間。15の夜でも遠いじゃん? そこまでして行きたくないじゃん! そんな、ぶらり散歩気分で三日ほどが経過した。相変わらずのフットワークの重さである。でも、そろそろ……うまかっちゃんでも買おうかな?  そんなことを考えていると───お荷物です! 事務所にゆうパックがやってきた。段ボールを開いてみると、いろんな食べ物が入っている。ありがてぇー!!! キンキンに冷えたビール。悪魔的! それを、握りしめたカイジの気持ちがよく分...
月曜日(畑の話)

何よ、あの女?!

月曜日は畑の話。  きゅうりの種がようやく芽吹いた。プチトマトと中玉トマトの芽も顔を出す。発芽を確認したのは三月末のことであった。マルナカで買ったきゅうりの苗は順調である。だから、きゅうりで焦る必要などまるでなかった。きゅうりで失敗した経験がない。その成功体験が、僕を大船に乗せていた。そう……いつだって、きゅうりの苗など余るほどできるのだ。育つはどうかは別だけれど……。  根拠なき自信から、きゅうりのポットをコンテナから出す。コンテナを空にしたい気持ちが強かったからだ。よーし、いい子だ(笑) それを、植え付け予定地に並べて置いた。あとは、本葉が出るのを待つだけだ。任務終了だ! ヒューストン。こ...
日曜日(ブログ王スピンオフ)

昭和喫茶、来夢来人

「あれ? ツクヨは?」  じいちゃんが俺に向かって声をかけた。ツクヨを探して辺りをキョロキョロと見まわしている。 「ツクヨは、アケミたちとタピオカ飲みに喫茶に行ったよ。今日は畑に来ないよ」 「タビオカ?……ってのが流行っているのか?」  ツクヨが来ないと知ると、じいちゃんは残念そうな顔をした。 「タビじゃなくてピ! タ・ピ・オ・カ。なーんか、女子の間で流行ってるらしい……知らんけど。そういえば、あの来夢来人ライムライトって喫茶店。ずいぶん昔からあったらしいね?」  俺もタピオカの話を詳しく知らない。それよりも、ずっと昔から存在する喫茶店の歴史を俺は知りたくなった。 「来夢来人か……。先代の現役...
土曜日(ショート・ショート)

マロカン(弐)

「お父ちゃん。小五郎ちゃん……今日、お店に来なかったね……」  恵子は店の暖簾を片付けながらため息をつく。 「どうしたんだろうねぇ、小五郎さん。昨日は今日も来るって言って帰ったのに……」  食器を片付ける洋平も心配げだ。 「昨日、恵子があんなことを言ったからかな?」  恵子は昨夜の態度に後悔を感じていた。恵子は思う。もっと優しくすればよかったのにと。 「そんなことはないだろう……小五郎さんにだって、小五郎さんの都合があるだろうし……もしかしたら、昨日の約束だって、忘れちゃったのかもしれないよ。ああ見えても小五郎さん、今年で百歳だからね」  厨房で食器を洗う洋平は、優しい声で恵子をなだめた。 「...
金曜日(小説の話)

ブログ王、ゆいの原点はせいこママ

金曜日は小説の話。  長編小説未経験の人類代表ただのおっさん原作。のんちゃんのブログ王で反響が大きかったエピソード。それが〝007 ゆいとのん〟でした。女子高生視点描写に注目が集まったようです───アイツの背後にゴーストライターがいるらしい……そんな噂が広がったとかなかったとか。まことしやかにリアルな世界で囁かれました。  どうやって書いた? あれ。ほんと、あれ。どうやって書いたのでしょう? もう一度、あれを書けと言われたら、再現できる気がしません(汗)  でも、一発書きではありません。何本も書いて相棒に読んでもらいました。その中の一本目。それを今回は掲載しようと思います。本作と違って設定も別...
木曜日(雑談)

アスパラガスを生で食べるという贅沢

木曜日は雑談の日。  今日は、自分で栽培したアスパラガスを存分に自画自賛しようと思います(笑)  皆さんは、アスパラガスと聞いて何をイメージされるでしょうか? 僕が真っ先に思い浮かぶのは「喜んでぇ~」でお馴染みの、居酒屋のベーコン巻きです。カリカリに焼き上げたベーコンが織りなす濃厚な脂味と、その後で口に広がるグリーンアスパラの爽やかさ。バターやチーズを絡めれば、ピザやパスタを生んだヴェネツィアの風すらも感じさせることでしょう。  シンプルに塩や醤油だけでも満足度は高い。そんな意味でも、和風、洋風、中華風……全ての料理に合う資質を持っている。それが、アスパラガスの魅力なのです。日本全国で繰り広げ...
水曜日(猫の話)

コタツ恋しき冬も終わり

コタツ恋しき冬も終わり……か?  水曜日は猫の話。  事務所の室温が20度を維持し続けている。日が沈み外の気温が下がろうとも、鉄筋コンクリート造の建物は夜の室温が高くなる。そんな性質があるのだろう。夏になると嫌でも体感できるのだけれど、室温32度を超えた記憶がまるでない。そんな意味からも、この部屋は割と快適だと思っている。  狭いコタツで冬を過ごした愛猫サヨリも、室温の高さに乗じて室内でウロウロしている。つーか、気に入った場所を見つけては転がっている。床、デスク、コタツの天板、リクライニング。ノマドワーカーのように移動を繰り返しながら、気がつけば僕の膝の上───お前、絶対に太ったろ?……僕の太...
火曜日(レビュー)

ホワイトアスパラを贅沢に使いすぎた焼きそば

火曜日はレビューの日。  3月28日(木)に収穫したホワイトアスパラをその日に食べた。だって、そうでしょ? 魚でも野菜でも、うどんでも……こういうのはね、新鮮だったら100パーセント美味しいものだ。先日のアスパラガスの豚バラ肉巻きが旨くて旨くて恋しくて、あの食感をもう一度。そんな懐メロ気分で調理を始めて、今日もサヨリは元気です(笑)  結論から言おう……失敗だった……。  豚バラ肉を買えばいいのに、半額だった豚のコマ切れ肉が失敗の原因だ。短いんだよ、肉がっ! ホワイトアスパラが太くて全然巻けない。そんなこともあろうかと、半額ベーコンだって買ってある。覚悟しやがれ、巻いてやる! やっぱりホワイト...
月曜日(畑の話)

ホワイトアスパラガスの収穫

月曜日は畑の話。  3月28日(木)に畑にちょいと顔を出した。3月24日(日)ぶりである。4日も空けたのは長雨が原因だった。昨日は晴れたが仕事で行けず、今日の午後から雨マーク。行きたくないけど、行くっきゃない! 僕には行くべき理由があった。マンバ(高菜)とアスパラガスが気になったのだ。今のうちに収穫しないと、せっかくの野菜が無駄になる。30分だけ畑に寄ろう。  そんなぶらり散歩気分で、畑を見渡すとマンバは収穫時期に入っていた。マンバを収穫すると、レジ袋がパンパンになった。上出来だ。その横で、畝の上を九条ネギが独占している。ネギ坊主は春の準備を始めていた。ついでに九条ネギも採って帰ろう。このネギ...