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のんちゃんのブログ王〝006 中1の夏〟

006 中1の夏  中1の夏休み。  俺は去年のリベンジに燃えていた。右も左も分からない、そんな小学生が初手から炎上を巻き起こしたのだ。火事になれば野次馬も集まる。そこからの全削除。その屈辱を乗り越えて、今日も俺は記事を書く。校長室と、俺の波乱と、オカンの雷を呼び込んだじいちゃんのカブトムシ、あれから2度目の夏が来た。  アホな少年の生き様を、たまに覗く読者もいるのだろう。アクセス推移も、一定のラインから減少することもなくなった。ささやかな数字だけが、俺のモチベーションの源である。きっと、読者の多くは同世代。それは、何となく理解している。ならば、この夏の記事ネタも、去年と同じに決まっている。夏...
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のんちゃんのブログ王〝005 小さなパパ〟

005 小さなパパ  100円欲しさにツクヨのお世話。  そんな春休みも、あっという間に終わってしまった。そして、俺は小学生から中学生になった。入学式という名の、大人のアップグレードを無事に完了させたのだ。  桜木も俺と同じ公立中学に通っている。オッツー、アケミ、そして、ゆき。俺たち“放課後クラブ”のメンバーは同じ中学へ進んだ。小学校から中学校へ。俺の交友関係は、そのまま引き継がれるカタチになった。てか、うどん県ではこのルートが通常である。私立が強い他県とは、学校事情がずいぶん違うようなのだけれど。  ついでに説明しておこう。放課後クラブとは、幼稚園時代に勝手に結成したチーム名のようなものであ...
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のんちゃんのブログ王〝004 姉貴と姪っ子〟

004 姉貴と姪っ子 ───アヤ姉が家に帰ってきた……でも、何で?  何があったか知らんけど、姉貴殿が姪っ子を連れて出戻った。姉の名前は文香あやかである。俺は物心ついたころから“アヤ姉”と呼んでいる。弟が言うのもアレだけれど、アヤ姉は美人である。  日本人離れした彫りの深い顔立ち。それに加えて、健康的な小麦色の肌とほっそりスリムなモデル体型。そんなアヤ姉を男どもが放っておくはずもない。幼いころ、俺は美人の恩恵を受けていた。 「ねぇ、ボク? キミは、文香さんの弟かい?」 「そだお(笑)」 「そっか、似てないね(笑)」  美人の弟は得である。おもちゃ、お菓子、アイスクリーム……。入れ替わり立ち替わ...
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のんちゃんのブログ王〝003 屈辱の校長室〟

003 屈辱の校長室  お盆が明けた夏休み。  俺たち親子は、なぜだか学校に呼び出された。静かな校庭、静かな教室。子どものいない学校は、寂しさよりも恐怖を感じた。校庭の隅の巨木から、聞こえる蝉せみの声だけが喧しい。  抜けるような青空と海に浮かんだ入道雲。誰の目からも、今日は絶好の海水浴日和のはずなのに、俺たち親子の気分は曇天だった。ほら見てみ?……俺の隣のオカンから、今にも雷が落ちそうだ。その先で、ゲリラ豪雨だけは堪忍な(汗)  俺たちが待たされているのは職員室だった。花壇に植えられた大きなひまわりが窓から見えた。黄色い花にミツバチが。そうだ! 今日は気分を変えて、ブログにミツバチの写真を投...
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のんちゃんのブログ王〝002 小6の夏〟

002 小6の夏  ブログの相談をした翌日の午後、桜木が俺の家にやってきた。礼儀正しい優等生は、大人たちからの信頼が厚い。当然のように、我が家でも顔パスである。クラスメイトには頼られて、大人たちには一目置かれる存在だ。桜木にはその魅力があった。敵に回すと厄介だけれど、味方にすれば最強だ。俺が手放すはずもない。桜木君、俺は一生ついてゆきます! 「あらあら、あらあらあらあら。桜木君、いらっしゃい(笑)」  今日のオカンは“あら”の数が四つも多い。今日の“あら”は、今年最高記録の“あら”だった。  桜木へのオカンの対応。それは、他の友だちと明らかに違っている。声のトーンからして違うのだ。今日の声は、...
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のんちゃんのブログ王〝001 じいちゃんのカブトムシ〟

001 じいちゃんのカブトムシ  俺の名前は飛川三縁ひかわ さより。  四国の片隅で暮らす高校生ブロガーだ。“三縁”と命名したのはじいちゃんである。“三つのご縁に恵まれますように”の願いを込めて。しかし、俺は“サヨリ”の響きが気に入らなかった───細魚サヨリは魚の名だ。海育ちの俺たちが、子どものころから釣り馴染んだ魚の名前だ。1ミリだって俺の名前はキラキラじゃないのに 「サヨリ? 魚の? マジっすか?www」  そう言って、俺の名前はイジられる。それが、とても不快だった。でも、それが高校に入ると割とお気に入るのも、思春期の七不思議と呼ぶべきだろう。初めて会う誰しもが、一度で俺の名前を覚えてくれ...
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のんちゃんのブログ王〝000 プロローグ〟

000 プロローグ ───いつか、あなたの小説が読んでみたいの……無理を言って、ごめんなさい。忘れてね……。  彼女は俺のブログの読者であった。顔も知らない、声も知らない。文字を介した交流から6度目の秋。その言葉に心臓が揺れた。ブロガーに小説が書けるのだろうか? それは、今でも心の中で燻くすぶっている。  秋が過ぎ去り、雪の季節。俺は彼女の街に来た。彼女の望みを叶えるために。クリスマス、待ち合わせの場所。そこで、俺は彼女に声を掛けた。口から心臓が飛び出すような、そんな緊張を隠しながら。 「はじめまして」 「は……はじめまして」  彼女の透きとおる肌が眩しく見えた。彼女の声はやさしかった。 「ク...
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明日から新小説の掲載を始めます

常連の皆様、こんばんは。通りすがりの皆様、初めまして(笑) 予定どおり、明日から新しい小説の掲載を始めます。  題名は『のんちゃんのブログ王』  明日から始まり、クリスマス前日に完結の予定です。その間、通常のブログをどうするのか? それを検討していますが、ギリギリまで小説と向き合おうと考えています。実は、校正作業が続いているので、相棒には苦労させっ放しです(汗)  とは言え、〝今日もサヨリは元気です〟のフレーズが無いと、サヨリファンの方が寂しい想いや、ご心配をするかも知れません。週一の頻度で、サヨリさんの近況報告を書こうかな? そんな感じで考えています。その際、Twitterとインスタにも写真...
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小説とブログの中心で

───う〜ん…分からん!  相棒からのメールを読み解きながら「え?」とか「う?」っと、足踏みをしている。解読を進めると宇宙誕生の糸口までもが見えそうで、今日もサヨリは元気です(笑)  小説家とは文章のプロで、小説とは日本語のルールに則って書かれるもの。それは理解しているつもり。だから、誤字脱字や表記ゆれの修正作業はすぐに終わった。第三者か書いた文章の間違いを探す作業に比べれば、それを訂正するなんて、誰にでも出来る簡単なお仕事です。だってそこに、答えがあるから。  それでも、些細なニュアンスが噛み合わない箇所もある。そこで、足踏んでしまうのだ。その違和感の原因が、僕にはどうしても分からない。一体...
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小説にゴジラの数が多すぎて

なんでなん?  しっかりと、やったつもりでやれてない…。  今朝、相棒から最後のチェックが届いた。20話から最終話までを、今日、ファミマで印刷して手直し作業に取りかかる。今夜はバディと夜間作業。いつ帰れるのかすら分からない。だから、取りかかるのは、明日以降になるだろう。  相棒からのメールの全て。そのフタを開けるとモンゴルの大草原(汗) もうね、しっかり見たはずなのに、壮大にやらかしていて、今日もサヨリは元気です(汗)  ごめんね、バカで…。  この言葉しか見つからない。いつもより、今夜はバディに優しくしよう…そう思うほどの猛省だった。  昨日までの指摘箇所。その8割までの修正が完了している。...
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ネット断ちで得られた恩恵

───うん、知らん(笑)  高度情報化社会の令和の世の中。その世界でネットから遮断されると、気持ちが羅針盤を失った船のようになる。仕事の合間の世間話。不思議なほどに話が上手く噛み合わない。テレビさえも見ないのだから、ネタを振られても返事は「知らん」で、今日もサヨリは元気です(笑)  小説の執筆モードに入ってから、ネットに触れる時間を極力避けた。ネットに触れるのは、ブログ投稿、メールチェック、調べもの、天気予報くらいのものである。天下のYahoo!ニュースですら拒絶した。カーナビはバディのスマホにお任せで(笑)  だってそうでしょ? 執筆への集中力とか、その先にあるゾーンの波が崩れるもの。最低限...
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相棒チェックをファミマで印刷

───分かったつもりで、分かってないねぇ…俺って奴は(汗)  十分に、チェックしたつもりでも出来てない。相棒は今、僕の小説の校正作業に入っている。彼からの指摘と感想とアドバイス…その記載メールに書かれた文字数。それがすでに1万文字突破なんてどうかしている(汗) 全24話もあるのにだ、8話でこのありさま。まだ、折り返してもいないのに。このまま行けば、本体を越える文字数になりそうなのが恐ろしくて、今日もサヨリは元気です(笑)  でも今は、次のメールをじっと待つ。それが僕の仕事だから。質問、お礼、なんやかんや…メールで余計な情報を伝えることを僕はしない。友人もそうだったけれど、相棒も同じで、ひとつの...
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小説もいよいよ大詰め

相棒には済まないけれど、もう少し...。  書き終えた小説のチェック作業も残すところあと四話。滑り出しのプロローグは、最後まで決まらないだろうから、最後の最後に書くのだろう。それこそ、本番直前まで悩む気がしている。 ───水曜日にチェックした原稿を送ります。  その水曜日...つまり、昨日。相棒へ送るはずの原稿を送っていない。全く作業が進まなかったのだ。どういうワケだか、頭の中で霧が掛かったように思考が働かない。でも、それを伝えると相棒が心配する。それはもう、メッチャ、僕の体を心配するのだ。だから、ゴールが見えるまで沈黙した。  途中まで、原稿を送る手もあった。でも、直しているその先で、何かが...
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ファミマで印刷、赤ペン持って青ざめる

何これ早い! ホンマにプリンタなんて要らないわ(笑)  昨日、ブログを書き終え、メールを飛ばしてファミマへ出かけた。書き終えた小説原稿を印刷するために。仮原稿の印刷では、A4用紙で60枚ほどであった。つまり、印刷費用は600円。 ───B4用紙...あれもA4と同じ10円だったっけ? ならば...。  人間だもの、少し違うことがしたくなる。今回は、B4横設定で2ページ印刷をやってみた。文字数は6万7千文字。この設定にすると、40枚に収まった。2万5千文字も増えたのに、200円もお得とはこれ如何にである(笑)  印刷ボタンをタップすると、ファミマのコピー機から、ジャンジャンB4用紙が吐き出される...
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ひぃぃぃ〜ポメラからiPadへの転送が不能だと!

小説にどっぷり浸かるとブログを書く速度が速くなる。  その間、ブログに書く内容が限定されるのだから当たり前だ。書くことが決まってる。ネタを探す必要もない。スタートダッシュが可能だからだ。一記事、小一時間もあればいい。とはいえ、ゾーンに入ると話は別で、今日もサヨリは元気です(笑) ───え、マジで?  昨日は、気づけば20時だった。19時のつもりが20時だった。当然のように遅刻した。月曜からはバディの日。地獄の県外出張のおまけつき。それも悩みのタネだけれど、なにかを書こうと考えている。記事ネタなどないけれど、それはいつものことだから。  記事ネタに、本場の徳島ラーメンくらい、食わせろ、つーの(汗...
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小説が書けました(笑)

───ようやっと、小説が書けた(笑)  やるべきことは、まだまだあれど、一応のカタチになりました。  今週の始めに相棒へ送った原稿は、4万少しのボリュームで、言葉足らずと説明不足、誤字脱字のバーゲンセール。クラクラしながらメールを送信。バタンキューで眠ってしまい、目覚めてから仕事して、さぁ、やりまっかで青ざめた。  こんなのよく我慢して、目をとおしてくれたものだと(汗)  謝罪するなら、早く書きな! その勢いで書き進めて、先ほどようやくカタチになった。今のところ6万文字と4千ほど。長編には届かないけれど、話数縛りがあるからね。こんなものかと(汗) とはいえ、読み返しすたびに文字数は増加している...
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小説執筆、五万文字の壁

日常生活に戻り、執筆作業は夜な夜なである。  今は、誤字脱字を探しながら、書いた文字を読み返し、書き足せる事は足して、余分な文字を消している。ちょこちょこと、書き忘れている文字、書き足りない文字、そんな文字を付け加えると、もうすぐ6万文字に手が届く。 ───小説には、5万文字の壁があります。  いつだったか、そんな話を思い出した。前回の邂逅では5万文字までの文字数はない。ショート・ショートを書いていると、尾ひれ背びれが付いて、あのカタチになったのだ。だから、文字数への意識はなかった。  今回は長編小説と銘打っているだけに、文字数を意識せざるを得ない。少なくとも、10万文字を意識していた。そこに...
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読む速度と書く速度

本丸小説を書くための、一週間があっという間に過ぎ去った。今夜の記事は、その中間報告である。  結局、最終プロットが決まったのは、先週土曜日の出来事である。つまり、月曜日から金曜日まで、一個前のプロットで書き進めていた。言い換えれば、書こうとしてたプロットを諦めたのが土曜日である。言い換えれば、人類滅亡案を断念した日である。  そこから、新しくも地味なプロットで書き始め、最初から最後までの流れが分かるであろうカタチになったのが、月曜日の午前1時を回った頃である。ポメラのデータをiPadへ移動させ、それを元に相棒へメールした。文字数にして4万2千文字を越えるくらい。  ただそれは、進行具合のご報告...
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ライダー変身ベルトは涙のベルト

───隕石が地球にぶつかる、運命の日まで1ヶ月。  インターネットが死んだ日。  それは、忌まわしい世界放送から一週間後の出来事だった。その頃、俺たち三人は彼女が住む街に向かって歩いていた。国道をすれ違う人々の顔に生気はない。 「どいつも、こいつも、ゾンビみたいな顔してやがるwww」  ちゃかしたように、オッツーがコソコソ俺に話しかける。オッツーは、最後まで旅への参加を拒否した男だ。それが出発当日の朝。突然、旅への参加を表明し、今日も俺たちと歩いている。  どういう風の吹き回しだろうか? 俺は、ずっと気になっていた。  腰にはトレードマークのライダーベルト。ライダーオタクのオッツーは、最後の日...
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ライダーオタクに悪いやつはいない(笑)

昨日、一瞬、心が折れた。  筆も折れそうな勢いあった。でも、やるだけの事はやらないと。全力を尽くさないと。コレでめげてちゃ、応援してくれる皆んなに申し訳が立たないんじゃ! だから、明け方までポメラに向かった。日の出の頃に道筋が立った。地味な話だけれど、物語の整合性も取れている。嫌いじゃない。  この段階で、ポメラに二万文字が埋まった。話数を数えてみると25話に収まりそうだ。この話数、当初の計画から見てもも悪くない。よくもまぁ、別の話を行き当たりばったりで25話に収まったものだ。地の文だけとかセリフだけとか、その両方の混在だとか、もう出来ちゃったとか。書けるところだけに集中して22話の形が出来た...