雉虎細魚

水曜日(猫の話)

人と猫との距離感

去年、ブログ運営の未来を決めた。  でも、現実とブログの世界の狭間で、どうしようかと悩んでしまう。どうしても立ち止まってしまう。正月早々、立て続けにあんなことがあったのだ。考えるほどに身動きが取れなくなる。困ったねぇ……。困っているとメールが届いた。知らない人からのお問い合わせ。 ───ブログを書いて下さいね。  それだけが書かれていた。  時折そんな、謎解きのようなメールがあるけれど、この一文に並々ならぬ重さを感じた。僕の読者は限りなく少ない。なのに、知らない誰かの助け船。  被災地に友人のような読者がいるかもしれない。ならば答えは決まっている───書くだけだ。予定どおりに始めよう。  水曜...
地震・災害

地震の揺れから猫を落ち着かせる方法

令和6年能登半島地震から一夜が明けた。  テレビからは刻々と地震情報が報道され、SNSの中はカオスであった。情報が錯乱されて信憑性が分からない。かと言って、安全地帯から明るくポストをする気にもなれない。老人の余計な一言など、老害でしかないのだから。だから、一先ずSNSからの距離をおき、流れるタイムラインを見守っている。その時の状況で、己の行動を判断しようと思う。重要な情報が埋もれることがないように。  もしも、僕のブログを楽しみにしている人がいるのなら、その人たちのために何かを書こう。今の僕にはそれしか出来ない。  今回は、地震に怯える猫を落ち着かせる方法について書いてみました。ソースは、熊本...
地震・災害

令和6年能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

2024年1月1日 16時10分ごろ、石川県能登地方(輪島の東北東30km付近)にて、最大震度7(マグニチュード7.6)の令和6年能登半島地震が発生しました。被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。  新年最初の投稿を、時間ギリギリまで検討しました。お正月に準備をしていた記事もありましたが、被災された皆様の心情を思えば、今日は投稿できる状況ではないと判断しました。毎日の投稿を楽しみにされている読者の皆様には大変心苦しいのですが、本日の記事はお休みさせて頂きます。本日予定していた記事については、時期をみて必ず投稿いたします。ご理解の程よろしくお願い致します。   X(旧Twitter)のフォ...
雑記・覚書き

2023年の大晦日

12月31日午後8時。  今年も残すところ4時間となりました。  皆様は、もう、年越しそばを食べましたか? ご家族団らんしてますか? 初詣はどこへ行きますか? 年末年始、お仕事されている方はお疲れ様です。皆様の2023年は如何でしたでしょうか? 我が家は平々凡々で、今日もサヨリは元気です(笑)  1年なんて、あっという間……ですね。  ジャネーの法則では、5歳児の時間の流れと50歳のそれとでは、10倍もの体感速度に差があるのだそうです。言い換えれば、50歳の人間が感じる10日は、5歳児の1年……ギャー!!!。  考えただけでもゾッとしますね(汗)  身をもって、それを感じていたはずなのに。バタ...
雑記・覚書き

竜とレディーボーデンと凧の話

───2022年、去年の寅とら年。  大空に浮かんだ雲に竜の姿を僕は見た。  それは、自家菜園を始めた初日の話。それを皮切りに、友人との距離が大きく縮んだ。友人は、僕のブログの読者であった。僕と友人との距離を縮めたのは、竜ではなくて畑の方。偶々偶然、友人が自家菜園をしていたのだ。その知識とキャリアは、プロの域に達していた。否、野菜の研究者と呼ぶべきか?  突然、始めた自家菜園。それに友人は、少し興奮気味だった。コロナ禍、桃畑、オカンの怪我……偶然の要素が重なって、畑に着手した僕だって驚きが隠せなかった。 ……こんなことって、ある?  スタートが遅れた菜園で、トウモロコシの実を収穫する頃。突如、...
お知らせ

ブログ運営の未来

仕事と小説に徹した12月。事務所の中が、いい感じに荒れている。肌荒れ以上の荒れっぷり(汗)  このままじゃ……年が越せない……だから、午後から事務所の掃除。  財布、鍵、スマホ、はさみ、ボールペン、食器などなど。こたつとデスクの上に散らかった小物がウザい。見える景色が美しくない。僕は無機質な空間が好きなのだ。全ての小物がノイズに見えた。  まずは、これから。  それぞれを所定の位置へ仕舞い込む。その後で、目に見える全てを雑巾で磨いた。僕は物を持たない主義である。だから、持ち物は少ない方だ。お掃除スイッチさえ入れば、2時間もあれば作業は終わる。今回は、中々に入らなかったスイッチだけれど。 「ごめ...
PC・タブレット・スマホ

ポメラMD250で小説は書けます

小説連載も終えて、今日からブログは平常運転。さて、何を書こうかな? 記事ネタのストックは十分あって、今日もサヨリは元気です(笑)  ブログ復帰1回目は、ポメラの話を書こうと思う。だってそうでしょう? 一年以上も酷使され続けたポメラである。僕はドSな使い方をし続けた。これだけ使い込んだのだから、ポメラが欲しいどこかの誰かの参考程度にはなるだろう。 ───なぁ、楽しんでくれたかい?  この一文が、この響きだけを書きたくて...。  2023年3月。僕は友人に小説を書き始めた。他人様が読んでも面白くもなかろう……“のんちゃんのブログ王”という題名の小説を。後に“相棒”と呼ぶことになる見知らぬ人物と共...
小説始めました

のんちゃんのブログ王〝025 エンドロール〟

025 エンドロール  友だちと、家族と、恋人と……夜の動物園は賑やかだ。  その人混みに溶け込むように、俺たちの向かう先はシロクマだった。それが、彼女の2度目のおねだりだったから。 「一緒にシロクマさんが見たいです……あ、嫌なら……ごめんなさい……ホッキョクグマの水中トンネルで、シロクマさんが間近に見られて、肉球が……あ、そんなの嫌ですよね……ごめんなさい」  2度目のおねだりは、のんの生声。これはもう、2度目の初めてのおねだりだと俺は思った。 「そんなのお安いご用です」  俺は心の中で叫んだ。100万回だって、喜んで!  白い雪に反射したイルミネーションの輝きが、クリスマスムードを盛り上げ...
小説始めました

のんちゃんのブログ王〝あとがき〟

あとがき  のんちゃんのブログ王を読んでいただき心から感謝しています。友人の誕生日からクリスマスまでの期間。皆様には、楽しんでもらえたでしょうか? それが、少し心配です(汗)  最終話を投稿し終えたクリスマス。この日のために、1本だけ残しておいたスティックコーヒーがあります。それは、相棒からの差し入れでした。そのコーヒーを味わいながら、ポメラに向かって文字を打つ。最後のお仕事が残っています... さぁ、あとがきを書かないと。  あとがきにならないあとがきを……。  書くのが好き、有名になりたい、小説家になるのが夢だから……小説を書く理由は人それぞれ。僕の理由はただひとつ。それが、友人の望みだか...
小説始めました

のんちゃんのブログ王〝024 エピローグ〟

024 エピローグ  全国的にクリスマスの朝。  彼氏のいない暇なウチは、ママの言いつけでコンビニに向かって歩いていた。クリスマスの朝に、納豆のおつかいだなんて……ムードも何もありゃしない。 ───何してるかなぁ……のんちゃん。  クリスマス色の街を歩きながら、ウチはのんちゃんのことを考えてた。のんちゃん、受験勉強で忙しいかな? でも、高校最後のクリスマスだから、のんちゃんウチに付きあってくれる? ウチはのんちゃんを誘う口実を考えた。  親友と過ごすクリスマス。ケーキとチキン……そうそう、ツリーも飾らなきゃ。想像するだけでワクワクする。  今からでも間に合うよね……のんちゃん。 ───テテテテ...
小説始めました

のんちゃんのブログ王〝023 のんちゃんのブログ王〟

023のんちゃんのブログ王  クリスマス。  幸運にも、今年のクリスマスは日曜だった。メールでのんに連絡を取ったのは、金曜日の夜である。クリスマス……のんにだって予定があるかもしれない。そんな日に「君に会いたい」ってのも非常識で、どうかとも思った。でも、のんに俺の気持ちを伝えるのはこの日しかない。そんな気がした。土曜日、のんからの返事はなかった。半ば諦めかけた夕方。待ちわびたメールが届く。のんからの返事だった。  メールを開く瞬間、脈打つ心臓の高鳴りが痛かった。 ───こちらこそ、よろしくお願いします。うれしすぎて、お返事が遅れてごめんなさい。  この子は、うれしすぎると連絡が遅れるのか……。...
小説始めました

のんちゃんのブログ王〝022 手紙〟

022 手紙 ───俺の小説が、みんなに認められた!  喜びに酔いしれている俺を置き去りに、アケミは次のステージへ進んでいた。 「もう、何、言ってんのよ。遊んでる暇なんてないのよ。これからが忙しいの! 入稿準備よ、入稿準備! もう、あんた、分かってる?」  分かってない。 「はい、みんな。赤入れ原稿見せて!」  不安げな俺に向かってアケミが怒鳴る。 「サヨちゃんは、邪魔!」  荒げた声に感動の涙が引っ込んだ。これから何が始まるというのだ? この場面にBGMを流すなら、運動会の“クシコス・ポスト”あの曲だ。赤組がんばれ、白組負けるな! もう、これはリレー直前の様相である。 「これから何やんだよ、...
小説始めました

のんちゃんのブログ王〝021 俺の小説〟

021 俺の小説  ブログで小説を書く。  その手法に切り替えると、執筆速度が一気に上がった。今までどおりの調子に戻る。どこまでも書ける気がした。これでいいのか? そんなの知らねぇ。これまでブログで培った俺の全てを小説にぶつけた。ワクワクしながらカブトムシの記事を書いたころのように。なんだよ、もう楽しいじゃん(笑)  その翌週。  俺は、最後の小説を桜木に手渡した。前回の審査から、俺と桜木の間に会話はなかった。そして、最終審査の日。俺は初めて桜木に頭を下げた。 「桜木。お前の真意は理解したつもりだ。これで最後の審査をお願いします」  深々と、俺は桜木に頭を下げた。 「分かりました。最後は僕ひと...
小説始めました

のんちゃんのブログ王〝020 じいちゃん〟

020 じいちゃん  3度目の審査の帰り道。  俺はじいちゃんの畑に寄った。オッツーからの助言もあって、じいちゃんと話がしたくなったのだ。俺には、じいちゃんに悩みを打ち明けた過去があった。 ───ブログをやめたい……。  そう、愚痴った日。  俺は中学卒業を間近に控えていた。俺の愚痴に、いつもトボケたじいちゃんが真顔になった。 「三縁も春には高校生か……」  そう言って、じいちゃんは黙り込んでしまった。しばらくの沈黙の後、決意したように口を開いた。 「この話は、ワシとお前だけの秘密じゃぞ。約束できるか?」 「……」  俺は無言で頷うなずいた。  小春日和の畑のベンチにふたり並んで腰掛けると、じ...
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のんちゃんのブログ王〝019 最高の裏切り〟

019 最高の裏切り  この1週間、俺は休む間もなく小説と格闘していた。人間の脳は、限界を超えると安全装置とやらが働くらしい。水曜日、俺は人生で初めてそれを体験した。何も考えられなくなったのだ。 ───どうなった? 俺の頭……。  予期せぬ脳からの急ブレーキに混乱した。こんなの初めて。全く頭が働いている気がしない。もう、何も考えられない。俺はその感覚に恐怖した。 「俺の頭がこんなんじゃ、今日の更新が不能になるかもしれないぞ……」  その恐怖の矛先は、小説ではなくブログに向かった。俺が最も恐れているのは、ブログの更新が止まることである。  ブログだけは絶対に止められない。のんは心配性なのだ。更新...
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のんちゃんのブログ王〝018 敗北〟

018 敗北 「地の文、台詞、心理描写、情景描写。そいつをどうにかしなさいよ! あんたのはね、分かんないところが多いのよ! 文法がメチャクチャなのよ。 まぁ、そのプロットは面白いけど」  なんだかよく分からんが、アケミの怒りのひとつひとつを思い出しながら、俺は土日返上で手直しをした。何ひとつ、エピソードが加わらないのに、文字数だけが伸びていく。それは足りない描写と台詞を足した結果である。アケミから見れば、讃岐弁主体の日本語文法はメチャクチャなのだろうけれど……。  そんなワケで書き直し。  というよりも、読み直すとアケミの指摘がおぼろげながら見えてくる。アケミの助言を要約すれば、もっと詳しく書...
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のんちゃんのブログ王〝017 男の気持ち、女の気持ち〟

017男の気持ち、女の気持ち  小説を書く。  そうは言っても、俺には致命的な欠陥がある。小説クラスの長文が書けないのだ。これでも6年間、毎日ブログを書き続けた自負もある。だから、文字数伸ばしくらいなら手慣れたものだ。無理をすれば、俺にも長文くらい書けるだろう……でも、書けない。  書けないというよりも、文字数を伸ばすと間延びするのだ。言葉のリズムが間延びして、ノイズが入ってテンポが崩れる。そうやって書いた文章を、後で読み返すと気持ちが悪い。自分で書いた文章なのに嫌になる。  ならば、登場人物を増やそうか? その回避策も考えた。物語に新たな要素が加われば、文字数は勝手に伸びる。でも、それにも問...
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のんちゃんのブログ王〝016 人類滅亡〟

016人類滅亡 ───ひとめ、あなたに。  このメッセージが俺の心臓を激しく揺らした。彼女に会いたい。だた、それだけで旅に出た。二度と生きては戻れない。そんな片道切符の旅であった。  やがて地球に隕石がぶつかる。そして、あっけなく人類の歴史は幕を閉じるのだ。人類滅亡の日まで、あとわずか……。  交通機関は停止した。食料とガソリンの供給も途絶え、頼みの綱のネットも死んだ。ネットの死により、彼女との連絡の道も閉ざされた。それでも俺は、ふたりの仲間と共に旅に出た。今、俺は彼女の街を目指している。  出発の朝。空は抜けるような青さだった。きっと彼女も同じ空を見ているだろう。だってそうだろ? 空はどこま...
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のんちゃんのブログ王〝015 放課後クラブ〟

015放課後クラブ  桜木は、俺のベッドの上で小難しげな本を読んでいる。アケミはチュッパチャップスを口にくわえながら、スマホで動画を鑑賞している。きっと、あれだB……いや、書くのはやめよう。  オッツーはツクヨと格闘ゲームの対戦中。ゆきは趣味の編み物だ。きっと、これはゆきパパへのクリスマスプレゼントになるのだろう。庭の噴水のためだ、がんばれよ!  このカオスの中に、わずか10歳のツクヨが溶け込んでいるのも不思議である。それにしてもだ。たった6畳の部屋に、これだけの人間が入るものだ。彼らには、きっとパーソナルスペースの概念などないのだろう。どう見ても家族である(笑) 「プレゼントに小説だなんて、...
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のんちゃんのブログ王〝014 オッツーの変身ベルト〟

014オッツーの変身ベルト ───はじめまして、ゆいです。ぶしつけですが、折り入ってカブトムシさんにご相談があります……。  旅乃琴里たびの ことり、桜木、のん、そして───ゆい。  揃いも揃って、俺に小説を書けと言う。正直、俺は困っている。書くべきか、書かざるべきか。そもそも、俺に小説が書けるのか? いや、書けないに決まってる。  今の俺の実力。それを総動員しても、書ける気が全くしない。クリスマスまでの時間もない。ツクヨに作ったお話とはワケが違う。文字数の壁もある。小説に必要な文字数は、俺の書く記事の50倍だ。下手すりゃ100倍。絶望的な文字数に腰が引けた。どう考えても無理ゲーだ。  プロッ...